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続・JUNK屋日誌

blogへのテラ・フォーミング(2005/12/17)。遂に時代の流れには逆らえづ、本サイトの日記のみをblogへ移行。

Herrschaften

 聖アウグスティヌスは、身勝手に、傲慢に振る舞う己の力の証――おじちゃんが言うところの「オヂサンはズボンの中に亀さんを飼ってるんだよ。見てみないかい?」――を嘆いた。

 悪魔と名付けられた存在による、恐怖でと淫美とにまみれた、そして醜悪な誘惑に対峙し、それを耐え忍んだ聖アントニウスはインポテンツだろう ――雌肉による誘惑に動かなければ、然るべき牡肉による誘惑が試行されるに違いないが、傲慢なる権力者は、そこで声を張り上げるだろうか? いや、むしろ、ヒエロニムス・ボスの『聖アントニウスの誘惑』に描かれた聖人は、誘惑の状況すらをも愉しんでいるようにも見える。ああ、つまり、アントニウスは苦痛を快楽と見なす――少なくとも、それを軽々しく「M」と読み解くようでは、聖マゾッホ師にはともかく、偉大なるサド侯爵殿に対する不敬となりかねないだろう――快楽者であるということか!

 自分の身体には傲慢なる君主が二人もいる。一人はアウグスティヌスと同じ君主。もう一人は、本を真面目に読むようになった数年前から、それまでは不毛の大地であった脳髄の中に住み着いた若き君主。後者は無意識下でも泥酔の時も、イメージの羅列を投げつけながら、〈それ>を思考させる。〈それ>の正体を記述し、具現化できるならばどんなに素晴らしいことだろうか!偉大なる先人たちは<それ>を追求する余りに、阿呆船に乗せられたり、逸脱者のスティグマを刻印された。

 とか何とか電車内書いてたら、気付いたらスタジオのある巣鴨駅で。バイト上がり直後の疲れか危うくスタジオのある巣鴨を乗り過ごしかけた。スタジオ逝てきます。

 「10世紀頃から、告白を聞く聴罪師には審問者の役割が求められ、獣姦から夢精にいたる、懺悔総側(罪の償いに関する規則を述べた書)に言及されたあらゆる性的逸脱や悪しき行いについて、ことこまかな質問をするようになり、性的な見返りなくしては女性に罪の赦しを与えようとしない司祭が頻出した」。クリフォード・ビショップ,2000,『性と聖[SEX AND SPIRIT]』,166頁。
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  1. 2006/07/30(日) 19:25:43|
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JUNK

Author:JUNK
 いわゆるトコ、侍魂以降のテキスト系サイトとして惰性してから早4年(2005年当時)。日記部のみblogに移行しました。それまでの素性とか、堆積物は「サイト」の方を参照で。現在の方は「mixi」とか。

 飲んだ暮れ。夢想家。澁澤シンパとみせかけて種村派。専攻は一応、文化社会学とか言いたいんだけど、実際の専門的らしい専門はない(と思う)。

『家畜人ヤプー』、沼正三、女性のサディズムと父権制におけるマゾヒズム、少女のエロティシズム、アリスイメージの消費、ロリヰタファッション、ヘヴィメタル、サタニズム、オカルト、タロット、少女小説、テクスト論、表層的SM批判、ジェンダー論、クィアスタディーズ、なんかよくわかんないけど色々。

 文化批評系よろず同人誌「Kultur Trieb」主宰。執筆者、購読者募集中。HPとかはまだ作ってないので、詳しくはmixi内のコミュを参照。

「Kluture Trieb」(mixiコミュ)


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割と、お仕事関連とか、読んだ本とか、クダラナイ話とかもつぶやき中。

@junk666
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