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続・JUNK屋日誌

blogへのテラ・フォーミング(2005/12/17)。遂に時代の流れには逆らえづ、本サイトの日記のみをblogへ移行。

批評性の効用

 批評性というものは、「そのもの」が如何なるものかということを語り、何故良いのか、何故悪いのかを云々する。例えば、ゴスロリファッションに関する批評を行うならば、ゴシックのルーツ。また、ロリータの語源や、ロリータファッションの源泉や、様々な文脈における語られ方―特に、マーケティング戦略と消費者の論理の相対的比較、メディアに置ける『画一的』なロリータ像の呈示―についての知識。ついでに、恐怖やおどろおどろしさを呈示するゴシックと、幼女的・可愛さ・フリフリを象徴的に用いるロリータを掛け合わせることは、どのような意味を持つのかということを見据えるべきである。ピザなんぞ食ってないで『広辞苑』でも引いてろ白痴! やる気がないなら、Wikipediaでも眺めてろニート!

 加えて、リスカ・バンギャ・メンヘラがセットの如きに語られる論調。何故に、V系ファンにゴスが多いのか。それは、V系を聞くこと=V系ファッションにコミットすることに際して、ゴスロリを着用しなければならない/するべきであるという、一種のハビトゥス(儀礼・作法)的なイデオロギーがあるのではないか? では、その起源はどこにあるのか? ゴス的なV系ファンはいつ頃から出てきたのか。

 女性のファッション―ミニスカートでありコルセットの排除であり、ストッキングの発明―発展は常々女性の身体的解放や、社会進出を促すものではある。では、ゴスロリのような、身体的解放・社会進出という機能を持たない「ファッションのためでしかないファッション」はどう記述するべきか。また、その機能は一体何なのか。それはメディアが捏造する、解りやすい画一化を伴った流行の一端でしかない。と言うのならそう断言しても良い。そのことを証明できるだけの説得力や、資料などの証拠を提示できるのならば。

 「可愛い」「カッコイイ」「綺麗」「汚い」「キモイ」「ステキ」という、批評精神の無い、もしくは語るべきことを持たない白痴的な言葉なんぞ、私は評価の対象とはしない。好きなものを無批判に、無批評に、盲目的に愛すること。それは、この大衆消費社会においては賢い生き方かもしれない。だがしかし、私の様に生きることを不器用とする人間はそれを良しとしない。

 だからアレだ。消費の赤で彩られた、メディアの捏造でしかない日本のクリスマスなんて誘惑図はクソッタレだと言うんだ。クリスマスの背景にある消費に向かわせるイデオロギーを批評しない状態で、恋人がいないから云々ことは、先に述べた白痴と同様な存在である。

 つまりアレだよ、俺にもステディな関係の異性がいて、メディアの捏造するクリスマス像を、マス・メディアの中に作り上げられるデートスポットを追体験することができるなら、こんなルサンチマンに満ちたテキストを、一大消費際の深夜に書くという無粋な真似はしない。むしろ、性夜とか腰振り祭りの凡庸な担い手として、ロマンティックという偽善に満ちたイデオロギーに隠された本性―肉欲という名を持ち、「愛という偽善的な仮面」を被った情欲的衝動―に埋没していられたんだ。

 嗚呼! そのように過ごす方が何とも楽なことか! だから、私は批評をしよう。白痴に成り下がる気は無いから。物事に対してどの様に惹かれるのか・どういった点で嫌悪感を催すのか。凡庸に嫌悪感を持つのなら、批評をすることで嫌悪感を中和しよう。学べ! 学べ! 学び続けろ! 努力だ! 日本が印度になるまて学び続けろ! 老いてもなお! 脳が白痴になるまで! 学び続けろ! 「人間」としてその命を受けたなら。

 私の知における水先案内人であり師でもある人。私にとってのアンドレ・ブルトン先生の御言葉、「人は日々進化するべき。一生勉強ですわね。止まったらお終い。どんなことでも前進しないと」。というものを脳髄に命じ、私もまた、前進し続けよう。その歩みが止まるまで。即ち学ぶことを放棄して、白痴に成り下がるまで。学び続けることで、このルサンチマン―爽やかさ華やかさ、加えて異性獲得の不得手対するもの―が中和されるなら、浄化されるなら、異形と化すまで学び続けよう。それが私にとっての快楽であり享楽であり癒しであるから。
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  1. 2005/12/25(日) 00:52:51|
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JUNK

Author:JUNK
 いわゆるトコ、侍魂以降のテキスト系サイトとして惰性してから早4年(2005年当時)。日記部のみblogに移行しました。それまでの素性とか、堆積物は「サイト」の方を参照で。現在の方は「mixi」とか。

 飲んだ暮れ。夢想家。澁澤シンパとみせかけて種村派。専攻は一応、文化社会学とか言いたいんだけど、実際の専門的らしい専門はない(と思う)。

『家畜人ヤプー』、沼正三、女性のサディズムと父権制におけるマゾヒズム、少女のエロティシズム、アリスイメージの消費、ロリヰタファッション、ヘヴィメタル、サタニズム、オカルト、タロット、少女小説、テクスト論、表層的SM批判、ジェンダー論、クィアスタディーズ、なんかよくわかんないけど色々。

 文化批評系よろず同人誌「Kultur Trieb」主宰。執筆者、購読者募集中。HPとかはまだ作ってないので、詳しくはmixi内のコミュを参照。

「Kluture Trieb」(mixiコミュ)


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割と、お仕事関連とか、読んだ本とか、クダラナイ話とかもつぶやき中。

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