fc2ブログ

続・JUNK屋日誌

blogへのテラ・フォーミング(2005/12/17)。遂に時代の流れには逆らえづ、本サイトの日記のみをblogへ移行。

再考テキストサイト②

◆テキストサイトの取り扱い説明書?

 現代の日本社会はマニュアル社会である。なぜならば、差異を強調した代替が容易な商品溢れるスペクタクルの社会の一つであるからだ。溢れる商品を如何様に選ぶか・・・、そのためにはやはりマニュアル――というよりも、指針となりうるオピニオンリーダー的な存在が必要とされる。では現代のオピニオンリーダーとは、いうまでも無いことだがメディアであり、マス・コミュィケイションである。日本でそういった傾向が見られるようになったのは80年代中ごろから――雑誌『ポパイ』や『ホットドック・プレス』『ブルータス』の針路転換・登場や、今では定着した「クリスマス狂奏曲」などが出現し始めた時期である。また、クリスマス狂奏曲については、ここで詳しく述べることはないので参考文献――上の千鶴子,1992,『私探しゲーム――欲望市民社会論』(文庫版)、アクロス編集室(編),1992,『ポップコミュニケーション全書』、宮台真司(他),1993,『サブカルチャー神話解体』、小谷敏(編),1993,『若者論を読む』、麻生幸太郎,1997,『ブレイク進化論』、三浦展,2005,『仕事をしなければ自分は見つからない――フリーター世代の生きる道』など――を参照すると良い。

 How to LoveからHow to Fuckまで、青年誌に限らずどのような雑誌にも、どのような<マクドナルド的>書籍にもマニュアルは溢れている。勿論、全ての読者がそのマニュアルの影響を字義通りに受け、それを実践するようにマス・コミュニケーションはありえないのだが、メディアの発信対象がマスであるが故にその影響作用は大きく、マニュアルを実践するようなヒトビトが我々の回りに顕在的であることは否定できない点である。また、テキストサイトに話をつなげてみれば、「テキストサイトはこうあるべき!」というマニュアルは存在していなかったようにも思えるが、マニュアルとなりうる<初期の>オピニオンリーダーは存在していた。それは勿論『侍魂』である。また、フォントいじりの氾濫については先に述べた通りの状況だった。

 『テキストサイト大全』を開きなおし、テキストサイトのマニュアルとなりうるな箇所があるかを探してみると・・・・トピックとして近い部分と思われる190-191頁「今からでもはじめよう、テキストサイト」はあったが、マニュアルとはなりえない。しかし、テキストサイトブームの勃発当初、多くの新規参入者が目にしたマニュアルはやはり『侍魂』であり、(表現の上澄みのみだが)模倣のし易さもあり、テキストサイトブーム初期のカノン(聖典)と考えることは容易い。後述するが、テキストサイト界の成熟によって『侍魂』、つまりフォントいじり系はカノンとしての地位を落としていった。だが、その威光は消えることなく、リンクに『侍魂』を配するフォントいじり系は長らくその数を保っていたと記憶している。
スポンサーサイト



  1. 2006/06/24(土) 21:40:39|
  2. 再考テキストサイト
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<混沌と笑いの電波受像 | ホーム | 脳髄とMISHIMA>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://6featchainsaw.blog39.fc2.com/tb.php/51-2a56752a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

JUNK

Author:JUNK
 いわゆるトコ、侍魂以降のテキスト系サイトとして惰性してから早4年(2005年当時)。日記部のみblogに移行しました。それまでの素性とか、堆積物は「サイト」の方を参照で。現在の方は「mixi」とか。

 飲んだ暮れ。夢想家。澁澤シンパとみせかけて種村派。専攻は一応、文化社会学とか言いたいんだけど、実際の専門的らしい専門はない(と思う)。

『家畜人ヤプー』、沼正三、女性のサディズムと父権制におけるマゾヒズム、少女のエロティシズム、アリスイメージの消費、ロリヰタファッション、ヘヴィメタル、サタニズム、オカルト、タロット、少女小説、テクスト論、表層的SM批判、ジェンダー論、クィアスタディーズ、なんかよくわかんないけど色々。

 文化批評系よろず同人誌「Kultur Trieb」主宰。執筆者、購読者募集中。HPとかはまだ作ってないので、詳しくはmixi内のコミュを参照。

「Kluture Trieb」(mixiコミュ)


◇twitter
割と、お仕事関連とか、読んだ本とか、クダラナイ話とかもつぶやき中。

@junk666
フォローはお気軽にどうぞ。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する