ヴァンプっつうと(溝の口在住の将軍じゃない)、常に耽美のイメージや、インスタントな錦絵みたいに使われ、語られることに些か辟易したことはないかね?
俺はたまにある。「悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん」もしっかり認めてあげてください(´・ω・`)。という与太話は置いておいて、デイヴィット・ソズノウスキの『大吸血時代』が読み終わる。
597頁っつう分厚さに辟易して積んでおいたが、12日の0時過ぎくらいから読み始め、15分くらい前に読み終わった。みんな、ぜひ、読んで、感想を聞かせてくれ。興味をもった先着一名には貸しちゃうっつうか、押し付け賀しするから。
アリスと、最終絶叫計画と、ドン・ドラキュラと、日本のアニメ的な設定と、アメリカン・ビューティと、一部に家畜人ヤプー(小児性愛の牧師が、お馬さんごっこ体験を告白したり、ヴァンパイアが台頭する未来世界で、人間は「人間牧場」で餌として養育されるラスト・ハルマゲドンなノリ!)を詰め込んだ、ツボというツボを突きまくった逸品。特に幼くして不老不死のヴァンパイアとなり、数十歳でも7歳の外見で、いやいや子供服を着るしかないスクリーマーに関する挿話は逸筆。ヤツラ、自ら、ガキの見た目でも相手にしてくれるペドフィリアを探し出してアタックするからスゲエ話だ。
「これは恐怖小説ではない。簡単にいってしまえば十年くらい前に流行ったPCゲーム『プリンセス・メーカー』のヴァンパイアバージョン」という訳者後書きの一節もまた逸筆。JUNKさんは2の娘が一番好きだな。
「俺たちが懐かしく思うのは、もうとり返せない『子ども時代』だ。昔とちがって、俺たちはもう、子どもをダシにしておもちゃを買ったり、子どもを通して自分の子ども時代を追体験したりできない。だから人間牧場が私的な殺戮用に、イスズの用な子どもたちを飼育するいっぽう、キッズTVのリトル・ボビー・リトルたちはセレブ扱いで育てられる。(中略)俺たちヴァンパイアってのは、どうしてこう情にもろいんだろう。テレビで他人が成長する姿を観て、自分の子ども時代を追体験するなんて。とはいえ、その子どもたちの居場所がわかったら、そしてそいつらがコンピューターのつくりだした映像でも、過去の映像を生中継のように流していたわけではないとわかったら、たいていのヴァンパイアはすぐに餌食にしちまえだろう。」(169頁)。
スポンサーサイト
- 2009/09/13(日) 01:55:28|
- 未分類
-
| トラックバック:0
-
| コメント:12