国立国会図書館に行こうと思っていたんだ、明日。っていうか既に今日だが。んで、また必要な文献資料のデータを漁ってたら、『裏窓』や『ミステリアスマガジン』辺り中心に、安東泉や水尾究(共に天野哲夫の筆名)の資料がワラワラと出てきて、知らなかったことに触れる一方で、蒐集しなきゃいけない資料が山のように増えただけでなく、データ管理の作業が増えて、俺、二重の意味で涙目。
書誌データをひたすら打ち込み続けるのは苦痛だな。やらなければイケナイ作業ではあるのだが・・・しかし、水尾氏の連載「ぼくは、・・・」シリーズのタイトルが逸筆過ぎて、書誌データの打ち込みという地味な作業の中に一服の清涼剤になった。以下、特にお気に入りなのをいくつか。
「ああ、ぼくは窒息したい あなたのももにはさまれて」
「ああ、ぼくは乞食になって あなたの前にひれふしたい」
「ああ、ぼくは 女ばかりの家に住み 奴隷になって奉仕したい」
「ああ、ぼくは 女、女の大行進の下になって骨片となって踏みしだかれたい」
「ああ、ぼくは この炎のなかに身を投げ子どもの激しさで燃焼したい」
「ああ、ぼくの欲望は 貪欲にどこまで生きれば充たされるのか」
,「ああ、繰り返されるのは失望だけ ぼくの虹色の世界はいつくるのか」
メルヒェンだねぇ。乙女だねぇ。と感動していたら、国会図書館にゃあ、『裏窓』も『サスペンスマガジン』も『スペシャリーS&M』もありゃしねえの! ガッデム! 『奇譚クラブ』も中途半端にしか揃ってなかったしなぁ。その割には『SMスナイパー』や『SMファン』とかは、ちゃっかりあるのね。こうなるとやはり、早々に「風俗資料館」の会員登録手続きをしなければ・・・・・・ああ、また先立つモノが消えていくのか。なんて卑しい仕事なんだ。
国会図書館の蔵書検索したりとか、明日複写する予定のリストを作ってみたりしたけど、国会図書館の蔵書の微妙さ具合に萎えたので、明日は行くのやめる。っていうか、既にこの時間まで起きている次点で行く気が欠落しているよな。・・・・・・涼しくなったら行くよ。
とりあえず、太田版『家畜人ヤプー』(上)が読み終わったと。初読でもないのに、丸2日もかかるとは・・・これがあと中・下とあるワケだが云々。4年前は余りの退屈さに寝てしまったのに、今じゃあ全編がまるで遊園地のように。
そうそう、「遊園地」といやあ、島田雅彦の『ロココ町』なんだがね、こいつぁすげえぜ。ところどころ、徹底的に『アリス』であるし、『ヤプー』的な意味でも、アリスでもある。いつもの飲み屋で『ヤプー』(上)の巻末の章を読んだ足で読み始めたが、既に3割近く読んでしまった。「遊園地」って、不思議だよね。
「ところで、アリスは持ち前の好奇心と楽天的性格が災いして、後年出会う男たちにことごとくたぶらかされ、晩年は不思議の国や鏡の国の冒険の楽しい思い出と現実の区別がつかなくなり、精神病院で意味不明の詩(もとより彼女は現代詩を書いているという意識はなかった)を書きつづり、寂しく死んでいったという。S君の説によれば」(島田雅彦『ロココ町』,13頁)。
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- 2009/08/13(木) 04:30:27|
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