fc2ブログ

続・JUNK屋日誌

blogへのテラ・フォーミング(2005/12/17)。遂に時代の流れには逆らえづ、本サイトの日記のみをblogへ移行。

毛皮を着た悪徳の肖像

 夕方に近い昼間に、衝動的に手に入れたオスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』が今しがた読み終わり、昨夜から読み始め、夕方に近い昼に蒲田のラーメン大で、野菜少し多目undニンニクのラーメンが出てくるまで読んでた、ザヘル・マゾッホ『毛皮を着たヴィーナス』が、イタリア旅行の直前までしか読みおわらなかったとは如何なることか!

 凄まじい勢いで読み終えてしまった長編は、ディック親父の『アンドロ羊』と、バルデュスの『地獄』以来な気もするんだけど、文学以外でも凄まじい勢いで読み漁ってるからなあ。しかし、今日は活動時間のほぼ半分が『ドリアン・グレイの肖像』に悶える行為に充てられていたような気がする。ああ、怠惰な! 極めて怠惰な一日!

 しかも、恐ろしいことに、アントナン・アルトーやピーター・ブリュックが書き、17日にやるアルトーのイベントのパンフに載せるエッセイのために、俺が発狂したニーチェの手紙を引いたり、自分の舞台経験を語りながら書いた演劇論が、いともあっさりと、『ドリアン・グレイの肖像』の中で描かれていて参った。

 「あのひとは、ある晩はロザリンドであり、ある晩はイモージェンだ。ぼくは、あのひとがイタリアの暗い墓場のなかで、愛人の脣から毒を吸って死んでいくのを見守り、あるいはまた、ぴったり身にあったズボンをはき、胴着を着、粋な帽子をかぶった美しい少年の姿で、アーデンの森をさまよい歩くのも見た。罪ある王の前に現れ、ういきょうを差し出して身につけろと勧め、味わってごらんと苦い薬草を渡したこともあった。なんの罪もないあのひとのほっそりとした咽頭を、嫉妬に狂う黒い手が圧し潰したこともあった。あらゆる年齢のあのひと、そしてあらゆる衣装を身にまとったあのひとをぼくは見たのです。」『ドリアン・グレイの肖像』、新潮文庫版105-6頁。

 かなりの天啓を得て書いた一説が、ほぼ2世紀前に、タイトルやあらすじでを読む限り、まったく演劇と関係ないところで、まったく同じように語られていたのがshockだ! 「あの人は」と「私は」の違いはあるけどな。
スポンサーサイト



  1. 2009/06/13(土) 01:38:17|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<大股開きの素晴らしき新世界の彼方の120日の路上のランチ | ホーム | Ghost gehen Geist>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://6featchainsaw.blog39.fc2.com/tb.php/269-cd994c43
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

JUNK

Author:JUNK
 いわゆるトコ、侍魂以降のテキスト系サイトとして惰性してから早4年(2005年当時)。日記部のみblogに移行しました。それまでの素性とか、堆積物は「サイト」の方を参照で。現在の方は「mixi」とか。

 飲んだ暮れ。夢想家。澁澤シンパとみせかけて種村派。専攻は一応、文化社会学とか言いたいんだけど、実際の専門的らしい専門はない(と思う)。

『家畜人ヤプー』、沼正三、女性のサディズムと父権制におけるマゾヒズム、少女のエロティシズム、アリスイメージの消費、ロリヰタファッション、ヘヴィメタル、サタニズム、オカルト、タロット、少女小説、テクスト論、表層的SM批判、ジェンダー論、クィアスタディーズ、なんかよくわかんないけど色々。

 文化批評系よろず同人誌「Kultur Trieb」主宰。執筆者、購読者募集中。HPとかはまだ作ってないので、詳しくはmixi内のコミュを参照。

「Kluture Trieb」(mixiコミュ)


◇twitter
割と、お仕事関連とか、読んだ本とか、クダラナイ話とかもつぶやき中。

@junk666
フォローはお気軽にどうぞ。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する