今年も逝って参りました。毎度毎度逝く度に、春の訪れと新学期の始まりを感じさせる川崎の「かなまら祭り」―毎年四月の第一日曜日。ああ、今年も新学期が始まるね。

して、「かなまら祭り」とは何ぞや? という問いに答えるならば、早い話が前近代に顕著に見られた女強のセクシャリティ―かなま祭りは、宿場の飯盛り女たちが男性器を茶化したことが、男性器を模した御神体の由来と言われている―を維持してきた、日本でなければ成し得ない「ちんこ御輿祭り」である。まぁ、男性器が権威(蝗除け)であったり、豊作・豊穣を祈願するための象徴であるという点も、御神体が男性器をかたどる理由である。「かなまら祭り」と同様のものでは、名古屋の「豊年祭」が有名だが、かなまら祭りの名物と言えば、エリザベス御輿(桃色)である。かなまら神輿は、一般的な「エイヤ!(ソイヤ!)」や「ウイサ!(ホイサ!)」という掛け声だが、エリザベスはの掛け声は「でっかいまら!(かなまら!)」である。掛け声の節々に「でっかいまら!(小さい小さい!)」「でっかいまら!(曲がった曲がった!)」と、茶化しめいた合いの手も入るため、他の神輿よりもノリが熱い。

エリザベス神輿の特色―とりわけて、担ぎ手の皆さんについて、TV(トランスブェスタイト)・CD(クロスドレッサー)とかの語句を用いて、長々と書くのも至極面倒なので、とりあえず、「エリザベス会館」でgoogleで検索して頂きたい。「エリザベス会館」自体は、大槻ケンヂのエッセイの中でも登場しているのでご存知の方も多いかと思うが、「エリザベス会館」自体の説明も省略。

先に述べてきた名古屋・川崎の他にも、多くの「まら御輿」が日本に顕在している。また、金山神社は川崎以外にも数箇所が存在する。「かなまら様」の由来については、「かなやま」が訛ったという説や、「金魔羅」に発音が似ていたという説などがある。川崎の「かなまら」様は主として、縁結び、安産、厄除、性病。あとはエイズなど。また、男根を祭りあげることは豊穣―同意で対とするならば乳房がある―と権力・力強さを象徴している。つけ加えて、金まら様や道祖神信仰は西日本では見られないという。
参考文献;市川茂考,1997,『日本人は性をどう考えてきたか―クローン時代に生かすアジアの思想』。
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- 2006/04/03(月) 15:17:41|
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